我々には認識できない”生物”が(以下略)3 ~「五感」も電気の力~
「僕らには見えないし、さわれもしないし、認識にものらない”生物”が
実は僕らのすぐ近くにいて、
しかもその”生物”は、周囲の物質や僕らの体をすり抜けたりできる」
という話が、
科学的には全くおかしくないどころか十分ありえることを説明する
というシリーズの3回目です。
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前回は、
・物と物が「ぶつかる」のは、電子と電子が反発する電磁気力によること
・物や僕らの体も電磁気力によって原子が結びついてできていること
を書きました。
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今回は、僕たちの「五感」も、電磁気力なしには無いことを書きます。
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まず「見えること」「視覚」について。
「見える」とは、眼の細胞が物から出た光をとらえる現象だ
というのはご存知の方が多いかと思います。
・太陽や蛍光灯のように自分で光を放つものは、その光を、
・自分で光を放たないものは、他所から出てきた光を反射した光を、
「見て」いることになります。
ちょうど、月は、太陽の光を反射しているから見えるのと同じです。
つまり
僕の目に君が映るのは、君が月で僕は地球ってこと、ロマンチックだね。
というわけですね。
月と地球は、永久にくっつくことが無いばかりか、
月はどんどん地球から遠ざかっているわけですが。
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では「光」とは何でしょうか。
物理学では、光は【電磁波】の一種であることが分かっています。
【電磁波】というのは、
電子レンジで使われたり、携帯電話のやりとりに使われているアレです。
読んで字のごとく、電磁気力の波のこと。
お肌の大敵「紫外線」や、冬のコタツの「遠赤外線」も電磁波です。
その電磁波の中でも、私たちの目に見えるものを「光」と呼んでいます。
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同じ電磁波でも、
「見える」「見えない」や「お肌の大敵」「体をぽかぽか」といった
違いがあるのは、電磁波の【周波数】の違いです。
【周波数】というのは、1秒間に波が何回くるか、という値です。
周波数が高いほど、1秒あたりの波が多く、エネルギーをもっています。
紫外線は、周波数が高いのでエネルギーが大きく、お肌にぶつかると
お肌の細胞を壊してしまうので危ないわけです。
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人間の目の場合、
・周波数が530 テラヘルツ前後の電磁波を感じる細胞 → 赤い光に対応
・周波数が560 テラヘルツ前後の電磁波を感じる細胞 → 緑の光に対応
・周波数が710 テラヘルツ前後の電磁波を感じる細胞 → 青い光に対応
(1テラヘルツは、1秒間に1兆回)
という3種類の細胞があり
この3種類の組み合わせで、さまざまな「色」を感じます。
ですから、電磁波を出さない、また反射もしない物質というのは
決して見ることができません。
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続いて「聴覚」いわゆる「音」についてです。
「音」は、空気の振るえ(振動)ですが
じゃあ、空気とは何でしょうか。
真の風使いになるには空気くらい分からないといけません。
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結論から言うと、空気とは
酸素分子が約3割、窒素(ちっそ)分子が約7割、
あと微小な分子が少々混じった気体のことです。
ですから、空気が振動する、というのは
酸素分子や、窒素分子が振るえているわけですね。
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この振動が伝わるには、分子同士が「ぶつかる」必要があります。
僕が渋谷を歩きながら
「リア充、爆発しろ」と言いながら、どんなに激しく振動していても
カップル達は「キモっ!」と言って避けるだけで爆発しないのと同じ。
奴らを爆発させるには、奴らに接触して、振動を伝えねばなりません。
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それと同じで
音が伝わるにも、「ぶつかる」必要がある、というわけで
前回お話したように電磁気力がなければ音も伝わらないわけです。
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次に「嗅覚」いわゆる「におい」について。
すべての物は、ミクロに見ると、常に壊れています。
目の前に、かぐわしい香りのビューティフルフラワーがあるとします。
このフラワーをつくっている分子の一部がはがれ落ちると
それは非常に小さく軽いため、空気中をただよいます。
そのフラワーの分子が、僕らの鼻の中のにおいを感じる細胞にくっつくと
僕たちはそのフラワーに対応する「におい」を感じるわけです。
ですから、街ですれ違った美人のお姉さんから、いい匂いがしたら
そのお姉さんの一部が、僕の鼻にくっついたというわけです。ワオ!
(実際はシャンプーの香料とかだと思われます)
逆に言うと、汗臭い人や、臭いトイレで「臭い」を感じるのは・・・
想像するだけで気持ち悪くなるのでやめましょう。
(食事中でしたら、ごめんなさい)
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においを感じる細胞に、物質が「くっつく」とは、
言葉を変えれば、その物質が「ぶつかる」ことです。
「ぶつかる」のは、電磁気力によるのですから
電磁気力の働かない物質の「におい」は僕たちには分かりません。
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次に「味」「味覚」について。
これも「におい」と同じで、舌にある細胞に
物質がくっつく(=ぶつかる)ことによって「味」を感じます。
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最後に「皮膚感覚」です。
「皮膚感覚」と一口にいっても、
・触れているのを感じる「触覚」
・痛みを感じる「痛覚」
・熱い・冷たいを感じる「温度覚」とあります。
このうち「触覚」「痛覚」は、何かのものが「ぶつかる」ことによって
起こる感覚ですから説明は省きます。
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では「温度覚」はどうでしょうか。
温度というのは、分子の振動の激しさです。
分子が激しく動くほど温度が高く、動きが少ないと温度は低くなります。
ですから「温度が伝わる」のも、音が伝わるのと同じで
分子と分子がぶつかって、その振動が伝わることなのです。
ここでも「ぶつかる」現象が出てきました。
僕らは身の回りのものと「ぶつかり」ながら生きている、
という話を前回しましたが
「ぶつかる」ことなしには
君の声も、君の香も、君の味も、君の温度も感じることはできないんだね
だから、これからもぶつかりながらでも一緒に歩んでいこうよ!
というプロポーズを考えたので、ぜひ誰か使ってください。
というわけで、「皮膚感覚」についても、
「ぶつかる」ことだと分かりましたので、以降の説明は省略します。
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さて、僕らの「五感」も、電磁気力なしには働かないと分かりました。
かなり前準備が長くなってしまいましたが、
いよいよ次回
見えもしないし触れもしない、謎の”生物”が存在するとしたらどんな姿か
迫っていいきたいと思います。