お金を使うのにも手数料がかかっている
ある本を読んでいて、なるほどな、と思ったのが
お金を使うにも手数料がかかる
ということです。
僕たちは「お金」を、価値を保存し、交換するために使います。
「働いてお金を得る」とは、
労働という価値をお金という形にして保存することであり
「お金でほしいものを買う」とは、
そのお金と交換に、別の価値(欲しいモノやサービス)を手に入れることです。
で、世の中のサービスに無料のものはないように
「お金」にも、実は使用料がかかっています。
日本でお金を発行しているのは、日本銀行です(紙幣の場合)
印刷すれば印刷代がかかりますし、職員の人件費も必要です。
では、そのための費用はどこから出ているのでしょうか。
僕たちが「お金」を手に入れたり、使ったりするときには「税金」がかかります。
お金を稼いだときには所得税(個人)や法人税(法人)がかかりますし
お金を使うときには消費税やら酒税やらタバコ税やらが入ってきます。
また、お金を家族に渡すにも相続税が発生します。
(こうして見ると、税金は、価値の移動・交換の際に起こっているのが分かります)
これらの税金は、政府のものになり、
政府はこの税金を使っていろいろなサービスを行っています。
そして、実は、この税金から、日本銀行へとお金が支払われているのです。
ここで日本銀行の損益計算書(P/L)を見てみます。
損益計算書というのは、一定の期間に利益と損失がどれだけ出たかをあらわす表です。
平成25年度の損益計算書を見ると
https://www.boj.or.jp/about/account/data/zai1405a.pdf
1兆5,800億円の利益のうち、約半分の8,000億円が国債の利息となっています。
実際、貸借対照表(どれだけの資産と負債をもっているかの表)を見ると、
日本国債を約200兆円も持っていることが分かります。
平成26年3月末の国債発行残高が998兆円ですから、約20%にあたります。
国債の利息は、税金から支払われていますから、
税金を経由して、お金の使用料が日銀に入っていると言えるでしょう。
※なお平成25年度の場合、残りの7,800億円の利益の大部分は
為替益です(急激な円安が進んだ影響と思われます)
では、なぜ日銀はこんなにも大量の国債を保有しているのでしょうか。
日銀が紙幣を発行できる、とは言っても、発行した紙幣を、縁もゆかりも無い人たちに配るわけにはいきません。
では、発行した紙幣をどのように市場に流通させるのか、というと
一般の銀行が保有している債権(多くの場合は国債)を
日銀が購入することによって、紙幣が市場に出回る仕組みになっています。
ですから、日銀が紙幣を発行すればするだけ、保有する国債が増えていくというわけです。
日銀の立場から上記のことを見れば
紙幣を発行
↓
国債※と引き換えに、一般の銀行に紙幣を渡す(※もちろん社債なども多少あります)
↓
国債からの利息収入を得る(税金から支払われる)
となっているわけです。
というわけで、ご存知の方からすれば当たり前の内容ばかりだったかも知れませんが
日本銀行についてのお勉強でありました。
【今日の結論】
・無料に見えるものも、回りまわって利用料が取られている。「お金」でさえも。