QED

私はこの世界について驚くべき真理を発見した。だが、それを記すにはこのブログは狭すぎる。

任せれば、人は楽しみはじめ、いろいろなことが動き出す

京大のイベントで、NHKプロデューサーの有吉伸人(ありよしのぶと)さんの講演会に行ってきました。

(なぜか、ちゃっかり司会もしてきました笑)

有吉さんは、NHKの人気番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』を企画から1人で立ち上げられ

プロジェクトX 挑戦者たち』や『サラリーマンNEO』の開発もされた、なにげにすごい方。
 

演題は「プロフェッショナルとは」でしたが、実際の講演内容は

有吉さん自身が「50歳を過ぎてからは後進の育成に力を入れている」とおっしゃるように

  どうしたら人は動き、成長するのか

ということがテーマでありました。(少なくとも僕はそう感じました)
 

この究極のテーマに対し、何百人というプロフェッショナルを見てきた有吉さんの回答は

 

 【相手に任せること】
 

実際『プロフェッショナル』の番組制作は、なかなかスタッフが集まらず

仕方なしに、20代の若手プロデューサーに、ほとんど丸投げ状態だったそうです。

ところが、若手のプロデューサーは

「自分を信頼して任せてくれた!」

と良い意味で勘違い(笑)をして、ものすごく頑張り、よい番組になった、という話。
 

これは決して

有吉さん個人の経験ではなく

『プロフェッショナル』第1回に登場した、星野リゾートの星野社長の【仕事の流儀】でもあるそうです。

星野社長といえば、経営破たんしたリゾート・旅館の再生で非常に有名な方ですが、

その星野社長の【仕事の流儀】は

  【任せれば、人は楽しみ、動き出す】

なのだそうです。
 

(仮にどんなに良いことであっても)

トップダウンで、ああだ、こうだ、言っても人はやる気にはならない。それどころか辞めてしまう。

そうではなく、相手に任せる。

しかも、ただ任せれば人は動くのではなく

任された人が

・やりがいを感じ

・楽しんでこそ

その人が頑張って働くようになり、いろいろなものが動いていくのだ、と。

だから、星野社長の【仕事の流儀】は「任せれば人は動く」ではなく

  【任せれば、人は楽しみ、動き出す】

なのだそうです。

そして、相手が「やりがいを感じ」「楽しめるようにする」のが経営者の仕事である、と。


じゃあ、どうしたら人は「楽しむ」ようになるのか。

星野社長は、徹底的に【相手を誉める】ようにしているのだそう。

そのために

  【1日XX回、誉める】と決めて

訓練だと思って(笑)無理にでも誉めるようにしていたそうです。

「訓練だと思って誉める」という発想は衝撃的でした。

下手すると、人と会うのはスーパーのおばちゃんくらいになりがちな僕には

なかなかハードルが高いのですが「訓練だと思って誉める」よう心がけたいと思います。

(僕から誉められた人は、変な邪推をしないでくださいね??)
 

そして星野社長は、「叱りもするし、誉めもする」のではなく

  【叱ることは一切しない】

ように徹底しているのだそう。これも見習いたいと思いました。
 

いずれも、ちょうど(まさにちょうど)行きの電車で読んでいた

『人を動かす』(デール・カーネギー)の内容が思い起こされ

やはり、いつの世、どこでも共通なのだな、とうなずかずにおれませんでした。

先輩経営者で

  人を育てるに一番大事なことは「忍耐」である

と言った方がありますが、それも通じるものがあるように思います。
 

本当はもう少しあるのですが、長くなったので今日は切ります。


【今日の結論】

○人を動かすには

 ・仕事を任せ

 ・その仕事にやりがいを感じ、楽しめるようにすること。

 これが経営者の仕事でもある。

○やりがいを感じさせるには

 (訓練だと思って、無理にでも)相手を誉め、

 叱ることは一切しないこと。